その瞳は何を見る?(仮)
「サク、一応言っておくがこいつは……」
「シンー!!!
ちょっと手伝ってくれー!!」
今度はシンさんの声に
タツさんの声が被さった
若葉さんとタツさんのせいかは
分からないけど
少しだけシンさんが不機嫌そうに見えた
それでも私には
この三人はとても仲良しにみえて
少しだけ羨ましかった
「えっと…サクちゃんだけっけ?」
ボーッとしてた私の隣には
いつの間にか若葉さんがいた
その声にちょっとだけ驚いてしまった
若葉さんはそんな私に微笑みながら
話を続けた
「ずっと寝てたからお腹すいたでしょ?
団子ならあるけど食べる?」
そう言われてみれば最後に何かを
口にしたのは城を出る前だった
そんなことを思い出していると
お腹がグゥーっと鳴ってしまった
「あはは!お腹は正直だね~
待ってて、今持ってくるね」
「あ、す、すみません…」
ちょっぴり恥ずかしくて俯いた
若葉さんは奥の部屋へと入っていった
その入れ違いで今度はタツさんが
入ってきた