新米教師"L"
一人は校長。
白い髭、白い眉、白い髪。
見るからに温和そうだ。

もう一人は、エルの知らない若い男だった。
黒くシャープな眼鏡をかけていて、知的な印象のイケメンだ。
その男は、冷たい視線でエルを見つめていた。

「…あぁ、連城崎恵瑠くんだね。
心配したのだよ。どこかの不良にからまれているのではないか、とね」

「…はっ、ははは、あはははは…!
そんなわけないじゃありませんかー」

エルは完璧な棒読みと引きつりすぎの笑顔で返した。

不良に一発入れたことが解ったら、問題になるかもしれない。
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