新米教師"L"
普段はクールなのに、解りやすく動揺し
顔を赤くしながら訊くセイのことを、竜はまじまじと見つめフッと笑った。

「お前は…どうなんだ?」

「お、俺!? …別に、好きじゃねえ!
…か、カノンは、多分、エルのことが好きだ」

「桜木は関係ないだろう」

竜がズバリと指摘すると、セイは視線を逸らした。

「あいつは、大雑把で、乱暴で、教師っぽくなくて、
よく笑って、大声出して、気取らなくて―――…っ!!///」

短所を挙げていたつもりが、いつのまにか
エルのことを知っているアピールをしているような気分になり、
セイは恥ずかしさのあまり赤面した。

そんなセイを竜はにやにやと見つめた。

「お前、恋愛に関してはウブなんだな」

「うっせえ…!」

「…今日、あいつの部屋行ってやろうかな…」

「は!? な、何する気だよ!!」

「冗談だよ、…面白いね、生徒とライバルっていうのも」
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