新米教師"L"
竜がニヤリと笑った。

「…お前、意外と大胆なヤツだな」

「あぁ、惚れ込んだら一途なんでな」

「やっぱり好き、なのか…!」

ぎし、と音がして、カノンが廊下の奥から顔を覗かせた。

「あっれ、セイと鬼センじゃん。意外な組み合わせ!
なに話してんだよー?」

笑いながら駆け寄ってきたカノンに向けて、セイはチッと舌打ちをした。

「え、舌打ち!? な、なんで!?
そんな大事な話だった? ご、ごめんごめん!!」

「…じゃあな、鬼蘭」

「ああ」

アワアワと焦るカノンを無視し、セイと竜は自室に戻った。

廊下が、途端に静かになった。

「…俺は一体、何をしてしまったのだろう…」

ポツンと取り残されたカノンは、一人悲しく呟いた。



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