新米教師"L"
その夜。

カノンの部屋にて。

セイ、カノン、フワで集まっていた。

「…でさあ、エルのドレス、
三着買っちゃったけど学校が出してくれっかな?」

「そんなに買ったのかよ!? 出るわけねえだろ」

「割り勘だねー。ま、エルには誰よりも着飾ってもらわなくちゃねぇ」

「だよなぁ!? くくく…、あいつが化粧とかしたらどーなんだろーなあ」

「ドレスは、赤のと水色のと、あとなんだ?」

「オレンジのヤツだよ。エル、背が高いから、きっと似合うね」

わいわいと話をしているとき、廊下側から突然エルの声が聞こえた。

「おー、竜じゃねーか。何してんの?」

「っ!?」

セイはドアに耳をつけ、じっと会話を聞いた。

カノンもエルの声が聞こえたので、同じことをした。

「…あのさ、何でも一つ、言うこと聞いてくれんだよな」

「ん、ああ。あんまりキツいのじゃなきゃな?」

暫しの沈黙があり、再び竜の声が聞こえた。
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