新米教師"L"
「竜ー!」

廊下で竜の姿を見つけたエルは、迷わず走っていった。

「エル? お前、次の授業ここじゃないだろ」

「わーってるよ!
あのな、竜。私、あいつらに言いたいこと言った!
これから、どうなるかわかんねぇけど…
とりあえず、後悔しねぇようにするよ」

笑顔で言うエルを見て、竜も自然に笑顔になった。

「…そう、か…」

「あ、でな、言葉遣いのこと、とりあえずあいつらにはバレたから。
お前も別に内緒にしなくていいわ」

「おう、ま、別に言わねえよ。
俺には何の得もねえしな」

「ははっ、そうかよ。
ま、じゃあな。頑張れよ」

そう言って、エルは走って去っていく。

その後ろ姿を、竜はずっと見つめていた。
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