新米教師"L"
ガラリ。

カノンは1Dの教室の扉を開けた。

「カノンッ!? お前、その傷どうした!!?」

カノンの顔の傷を見るなり、セイとフワが駆け寄ってきた。

「ん…? や、何でもねぇよ」

弱々しく笑うと、カノンは自分の席に着いた。

しかし、セイはそれでは納得しなかった。

「何でもないわけねぇだろ! 何があった!? 言え、カノン!!」

カノンの肩を掴み、鬼のような形相でカノンを問い詰める。

カノンは、セイの手を振り払うとセイを睨んだ。

「…か、の…ん!?」

「てめェには関係ねぇだろ!! 放っといてくれよ!!」

いつもの明るいカノンの様子からは
想像できないような態度に戸惑うセイを無視し、
カノンは教室を出ていった。

エルが教室に入ろうとしていたところで、
カノンはエルに思いきりぶつかった。

「いって…! ちょ、カノン!? お前どこに…っ!」

エルは引き留めようとしたが、教室の暗い空気も気になった。

「…どう、した…!?」

エルの問いに、誰も答えることができなかった。



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