新米教師"L"

「…てめぇが桜木佳暖か」

その声は、セイに向けて発せられた。

「ちげぇよ」

一昨日から、セイとカノンは一言も口を利いていない。

理由は、もちろんあの時の喧嘩だった。

そのため、カノンという言葉に素っ気なく返したセイだった。

が、次の瞬間、セイの頬に重い衝撃が来た。

「…ッ!!？」

セイが踏ん張りきれず、床に倒れ込むとセイを殴った人物は
セイに近づいて来た。

「…俺の女を彼女呼ばわりしてんじゃねぇよ…気色悪い野郎だな…!」

「…!」

恐らく２年のその男は、セイの腹に蹴りを入れると去っていった。

この時、セイは大体の想像がついたのだった。



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