普通の恋はできません!
蓮という俺








「そこにあるベンチのところで、始めて会った子に告白されたの」


かなみは楽しそうに微笑みながら話している



……ん?待て、なんか聞いたことあるようなエピソード……



「こんな私でも告白されんだよ!しかも、始めて会った子に!」


_今思えばびっくりで、信じられないけどね


と付け足した




ん?これはデジャブ?見たことあるっていうか、体感したことあるような感覚




「その子にさ、いきなり、結婚してください!って言われたの!それで私、初めての告白だったからさ、なんか幼いながらに嬉しくって、いいよ!おっきくなったら、迎に来てね!って言っちゃった」


あははっ!


そう、楽しげに笑った



「あ、ごめん!私の思い出話を延々と……」



なぁ、かなみ。



なーんか、そのエピソード聞いた事あるなって思ってたら


その相手の男の子



俺だわ……



「まじかよ……」


「ん?あ、ごめん!時間の無駄だった 」



「い、いや、いい子守唄的なのになった」



「え゛なにそれ!」



「ま、あっちの芝生行こうぜ」



「あ!いいねー!そうしよ!」



かなみは走り出して芝生を目指す



ヒザにかかるくらいの長さのスカートとおさげが揺れる



なんだろうな。俺の「初恋相手」があいつだったなんてな



俺があの時あいつをみて思ったことは単純に



可愛くて綺麗だなぁって子供ながらに思った。今でも鮮明に覚えてる




かなみの後ろ姿を見て思う




ガキの頃の俺の目はいい目をしていたと思う。



今も、昔と変わらず









可愛くて、綺麗だ。
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