普通の恋はできません!
【蓮という俺】
「おう!よろしくな!蓮!」
そう言ったかなみの笑顔は、普通の女子の顔だった。
ヤクザの跡取り娘ってのも案外普通なもんか。
にしても、こいつ。どんだけ経験がないんだ?同い年の男子と話したことねぇって…
なーんて事を思っていると
「なに私の顔まじまじと見てんのよ。」
先ほどまでの笑顔は消え去って不思議そうな顔をして俺の顔を見る。
「で、お前の言いたいことってなんだ?」
そう言うと
かなみが急にオロオロしだした。
「どうした?」
「特にないでした。」
日本語おかしいぞ。
「あそ。」
心の片隅ではこいつとの会話が終わるのが名残惜しく感じたかひとことだけ言って屋上の定位置まで戻った