明日晴れたら、
*第4章*
当惑
『協力して欲しいことは、また今度伝えるね!』
照れ笑いしながら手を振って帰っていった汐浬ちゃん。
背中を見てから、どのくらいここにいるのかわからない。
ほとんど暗くなった公園には、小さな街灯がつきはじめた。
ぼんやりと地面に映る自分の影を見ながら、さっきの汐浬ちゃんの言葉を、もう何度も思い出しているのに、また思い出してしまう。
ーーー汐浬ちゃんは入学して間もなくの頃、担任に大量の資料を渡され、資料室に運ぶように頼まれた。
承諾したのは良いものの資料室がどこかわからずに迷っていた時、そこに南くんが現れて、資料の山を半分以上持ってくれた。そして一緒に資料室に運んでくれた。
『一目惚れだったよ。そんなの、今までありえないって思ってたけど』
恥ずかしそうに笑う汐浬ちゃんを、私はもう見ていられなくなった。