明日晴れたら、
少しの静寂のあと、南くんは困った顔で言った。
『ごめんなさい』って。
『増川のこと嫌いなわけじゃないんだ。本当、ごめん』
なんの『ごめん』なのか、最初は全然わからなかった。
南くんは私の家への道を聞きながら、何度も『ごめん』と言った。
告白する心の準備なんて、できていなかった。
でも、振られる心の準備は、もっとできていなかった。
もう、『ごめん』なんて言わないで。
南くんに振られたってことを、痛いくらい感じるから。
南くんに振られたってことを、痛いくらいわかるから。
だからもう、『ごめん』なんて言わないで。
困った顔で遠慮がちに、『ごめん』なんて、言わないで。
ねぇ、南くん……。