明日晴れたら、
それからしばらくお互いなにも話さずに歩いていた。
私は、なんとなく重たい雰囲気を変えたくて、口を開いた。
「薺ちゃん、最近バイトどう? 塔田くんとはうまくいってる?」
すると薺ちゃんはとたんに目を見開き、焦ったように「ば、バカ! なに言い出すのよ急に…!」と、心なしか頬を染めて早口で言った。
そうこうしているうちに、分かれ道に来ていた。
「じゃあまた明日っ!」
顔を背けて、また早口で言った薺ちゃんは、早歩きで帰っていった。
「…ふふっ、あんな薺ちゃん初めて見たかも…!」
もしかしたら、塔田くんのこと、気になってたり、とか…あるのかな?
滅多に焦らない薺ちゃんが珍しく取り乱したから、私は少し笑ってしまった。