明日晴れたら、
「寒くなったよね。もうそろそろマフラー必要かな」
隣を歩く南くんが言う。
「……」
…ど、どうしよう…っ、なにか言わなきゃ…っ。
そう思うのに、うまく言葉が出てこない。
ドキドキ、バクバク。
「……あ、そうだ。面白いこと教えてあげる」
結局なにも返せないまま、南くんは次の話題を出した。
「…お、面白いこと…?」
「うん」
なんだろう? と耳を傾けると、南くんは楽しそうに話しはじめた。
「塔田っているじゃん、川上とバイト同じの。この前聞いたんだけど、あいつ、川上のこと好きなんだって」
「…え、えええええっ!!?? 南くんそれほんとっ!?」
「うん、塔田本人から聞いたよ。それ話してた時の塔田、めっちゃ顔赤かったよ。もう耳まで真っ赤」
「う、うそ…!」