明日晴れたら、
南くんは、心底驚く私を見て口元をブレザーの袖で隠して、必死に笑いを堪えている。
「み、南くん…? どうしたの?」
「塔田もなかなか面白かったけど、今の増川の反応も面白かったよ。そんなに驚く? 塔田見て、なんとなくわからなかった?」
「え…?」
南くんって、たしか、かなりの鈍感じゃなかったっけ…?
前の遊園地の帰りの、薺ちゃんのあからさまなもくろみに気づいてなかったし…。
「ほら、バイトのシフトだいたい一緒だからって、バイト先まで一緒に行ってるじゃん。川上を教室まで迎えに行く時、あいつすごい緊張してるのに嬉しそうだよ」
…言われてみれば、そうかも。
いつも教室のドアから薺ちゃんを呼ぶ塔田くん、嬉しそうにしてた…。