明日晴れたら、
するといきなりしゃがんで私と視線を合わせてきた南くん。
近くなった距離に、思わず身を引く。
「送っていこうか?」
「…ゆ、悠弦くん…」
南くんの背中を見つめる汐浬ちゃんが、下唇を噛んだ。
「だっ、大丈夫っ。薺ちゃん待ってるだけだから…っ!」
とっさに首を振った。それしかできないと思った。
「ほ、ほらっ、汐浬ちゃんと帰ったら…? ねっ?」
ぎこちない笑顔しか向けられなくて、それを見られるのがいやで顔を逸らした。
「…増川…。じゃあ、一緒に川上待つよ。長澤はどうする? ここで待つ…」
「い、良いよ南くん。私はほんとに大丈夫だから…。…汐浬ちゃんと、帰って…っ」
私は、南くんの優しさから逃げ出した。