明日晴れたら、
「ねっ、聞いてっ! 悠弦くんと冬休みに2人で遊びに行けることになったのっ!!」
嬉々とした声が右から左へ通過した。
空笑いがこぼれた。
そのあと自分が汐浬ちゃんに、どんな顔でなんて言ったのか、ひとつも覚えていなかった。
ただ汐浬ちゃんの言葉と満面の笑みが、頭の中で浮かんでは消え、浮かんでは消え、を繰り返す。
ーーーあの、学祭の帰り道の薺ちゃんの言葉が蘇る。
『今、好きなら、美和がその気持ちを自然と忘れる時まで、好きでいたら良いんじゃない?』
……今が、その時なんじゃないのかな…。
南くんへの気持ちが消える時なんじゃないのかな…。