明日晴れたら、
「悠弦くんこのあと少し時間ある?」
「うん、大丈夫だよ」
ずっと鞄を見ていた目を南くんに向けると、南くんは鞄を持って汐浬ちゃんのほうへ歩いていく。
「あ…、み、南くん…」
その背中に思わず名前を呼んでみたけど、私の小さな声は、まだ教室に残っていた生徒の賑やかな話し声にかき消され、南くんに届かなかった。
「…っ」
…ここで呼び止めたところで、告白なんてできるわけない。
私はただ唇を噛み締めることしかできなかった。