明日晴れたら、
「…私、振られたからって、悠弦くんへの気持ちは失くさない」
「…え…?」
それって、どういうこと…?
「…え? あっ、違うちがう! 未練なんてないから! 悠弦くんを好きな気持ちは、心の中にしまっておくことにするの。恋愛の『好き』じゃなくて、憧れの『好き』」
私と目を合わせた汐浬ちゃんは、顔の前で両手を振った。
そして優しい表情で、窓の外を見ながらぽつりと言った。
「…だって、あんな振り方されたら……キライになんて、なれないでしょ」
「っ、…汐浬ちゃん…」
私を見た汐浬ちゃんは、綺麗に笑った。
「今まで協力してくれて本当にありがとう」と言い残して、汐浬ちゃんは図書室を出ていった。
私はお弁当を食べるのも忘れ、汐浬ちゃんが出ていったドアをぼーっと眺めていた。