明日晴れたら、
全力で走って数十秒。走る自分の影がくっきりとわかる。
待ち合わせ場所である、やり取りしていたコンクリートのある場所に向かうと、言葉を失い、息をするのも忘れた。
ーーーそこには、よく知ったサラサラの黒髪。
たくさん見てきた後ろ姿。
……う、そ…でしょ………?
まさかと思いながら、震える声でその背中に呼びかける。
「……み…なみ、くん………?」
すると、その人が振り返った。
「…増川」
はにかみながら私の名前を呼んだその人は……
………他の誰でもない、南悠弦くんだった。