明日晴れたら、




「傷つけないようにって気をつけていたけど、でも、今度は考えすぎて、今思えばそのせいで、もしかしたら気づかないうちに誰かを傷つけてたかもしれない。……増川、中学の時、覚えてる? 中3の秋」

「っ!」



中3の秋、と聞いて、体がびくりと震えた。






………忘れるはずがない。




中3の秋。



あの日、南くんに人生初の告白をして、振られた。






「あの頃って、勉強忙しくて受験一色だったでしょ? 増川はあの時頑張って勉強してたから……、俺が頷いたら、増川の重荷になるんじゃないかって、思ったんだ…」





「………え……?」




ぎゅっと握り締めた自分の手から、ゆっくり南くんに視線を移す。



南くんは真剣な表情で前を見ている。




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