明日晴れたら、
汐浬
『…あの、大丈夫ですか?』
今でも忘れない、悠弦くんとの出会い。
私は、悠弦くんに一目惚れした。
ーーー入学して間もないある日の放課後。
担任の先生に大量の資料を渡されて、資料室に運ぶよう頼まれた。
この仕事をしっかりやらなきゃ、という気持ちのほうが大きかった私は、資料室が一体どこにあるのか聞きそびれてしまった。
…と、とにかく探さなきゃ。
そう思いながら、大量の資料両腕に歩き回る。
…けど、それらしい場所が見つかる気配もなく、気が遠くなる。
ーーーその時、
「…あの、大丈夫ですか?」
「っ!」
資料の向こうからいきなり聞こえた声にびっくりして、危うく資料の山をばらまきそうになった。
「これ、半分持ちますね」
その声と同時に、腕から重さがふっとなくなり、軽くなった。