明日晴れたら、
『…す、好きです…!』
あの瞬間、どんなに嬉しかっただろう。
忘れることのない、増川からの告白。
…でも、それは中3の秋。
3年生は一気に受験モードに切り替わっていて、俺も増川もその中のひとりであった。
しかも志望校は同じ侑暒高校。
増川が一生懸命に勉強しているから、そして俺も負けていられないと思ったから。重荷になりたくなかったから。
好きな気持ちを隠して、それを遠ざけた。
増川の気持ちを、俺は自分で遠ざけてしまった。
俺はあの時、どんな顔してたんだろう…。
増川をあの時、たくさん傷つけてしまった。
考えすぎたせいで、逆にまた、人を傷つけてしまった。