明日晴れたら、
[おい! おい! 南!]
「…どうしたの、なんかあった?」
[聞け! 喜べ! 俺良い仕事してきたぞ!!]
時はあっという間に過ぎ去り、高2の夏。
学校から帰って家に着くなり、携帯が鳴った。
出て、「もしもし」と言う暇もなく、塔田の大きな声が耳いっぱいに入ってきた。
[増川、付き合ってないってさ! 高嶋と!]
「……え…?」
[さっき本人に直接聞いてきたんだよ! したら増川すごいびっくりしてて、付き合ってないって言ったんだよ!」
ーーー高1の冬休み明けのあの日の放課後。
川上に教えられて慌てて図書室に行ったけど、遅かった。
高嶋が増川に告白していて、心臓が止まりそうになった。
高嶋が俺に気づいて、そしてすぐに増川が振り向いた。
増川を見たとたん、俺はなにも言えずに逃げてしまった。
…増川には、高嶋がお似合いだと思ってしまった。