明日晴れたら、
「あ! 川上ー!」
急に聞き慣れない声が薺ちゃんを呼んだから、すごくびっくりして、思わず足を止めた。
「塔田ー! 早いね!」
薺ちゃんは笑顔で駆け寄り、振り返ると私を手招きした。
「っ!」
「お、増川!」
薺ちゃんを川上と呼んだその男子のうしろから顔を覗かせて、微笑んで私の名前を呼んだ人。
「…み、南くん…!?」
なっ、ななななんでここに南くんが…!?
「増川!」
「はいっ!?」
「って呼んで良いか?」
「…え、あの…?」
目の前で急に呼ばれて返事をすると、にかっと笑って私を見ている男子。