明日晴れたら、
*第2章*

へたなラクガキ






4人で遊園地に行ったきり、友達とは誰にも会わずに迎えた2学期。



始業式の朝、昇降口で靴を履き替えていると、後ろから声をかけられた。


「おはよう、増川」

「っ、み、南くん…!」


振り返るとそこには、穏やかな笑顔の南くんが立っていた。




…ま、まさか、新学期早々に南くんと話せるなんて…!



どうしよう。


嬉しい…嬉しい…!






「…増川?」




「っ!」


急に南くんのきれいな顔が私の顔を覗きこんだから、目を見開くのと同時に顔が熱くなったのが自分でもわかった。


「おおおはようございますっ」


小声の早口でそう言うと、私は教室に走った。




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