明日晴れたら、
南くんが棚を開け閉めする音だけが保健室に響く。
目をつむってなんとか寝ようとしたけど、カーテンの向こうに南くんがいると思うと、意識がそのほうに集中して、目が冴えてしまった。
やがて物音が聞こえなくなると、足音がゆっくり近づいてきて、ぴたりと止まったかと思ったら、
「…増川、起きてる?」
「っ!?」
カーテンの向こうから南くんに声をかけられたから、つむっていた目をぱっと開いた。
南くんに話しかけられるなんて思ってもいなかったから硬直してしまい、返事をするための口なんて開けずにいた。
「…っあ、ごめん! やっぱ寝てるよね」
するといきなり南くんが早口でそう言い切ったから、私は頭痛そっちのけで、南くんと、話したくなった。
「…お、起きてます…」
私はカーテンの向こうにそう言った。