明日晴れたら、
静かにカーテンを開けて顔を覗かせた南くんは私に一言、「頭痛、大丈夫?」と尋ねた。
私は頷くことしかできなくて、わずかに頭を動かした。
「…ここ、座っても良い?」
南くんがベッドの横にある椅子を指差した。
「あ、はい、どうぞ…っ」
私がベッドから起き上がって、椅子を南くんのほうに動かそうとしたら、南くんは「良いよ、横になってて」と優しく笑った。
椅子に座った南くんの左中指に白いテーピングがしてあるのが目に入って、私は勇気を出して南くんに話しかけた。
「…あの、指…どうしたんですか…?」
「え? …あ、これ?」
南くんは視線を自分の左中指に移した。