明日晴れたら、
「…あっ」
「っ!」
ちょうど目が合い、その子は私と向かい合って、おじぎをひとつした。
「私、1年3組の長澤汐浬(ながさわ しおり)っていいます」
3組…南くんと塔田くんと同じだ…!
「あ、私は、4組の増川美和です」
「4組? じゃあお隣さんだ! よろしくね」
手を差し出されて、私は自分でも驚くほど、なんのためらいもなく握手をすることができた。
それはきっと、汐浬ちゃんの穏やかで優しい雰囲気のおかげ。
人見知りで、初対面じゃまったく話せなかった私がこんなにすんなりと話せるのは、薺ちゃん以来初めてだった。