僕は君の名前を呼ぶ
──わたしは夢をみた。
『彩花ー置いてくよー!』
お姉ちゃん?
笑顔が幼い。10年くらい前かな。
『待って~お姉ちゃん!』
背後から声がした。
振り向くと、幼い頃のわたしがお姉ちゃんを追いかけている。
『彩花、早く来ないとお弁当お父さんが全部食べちゃうぞ~』
ピクニックかなあ。
お父さんの優しいそうな顔。
『彩花っ!早く早く!』
笑顔のお母さん。
『やだっ!彩花のお弁当!』
わたしが食いしん坊だったの、昔から変わらないんだね。