僕は君の名前を呼ぶ
俺は兄貴の部屋に戻って橘が身支度を終えるのを待つことにした。
朝起きたら荷物共に兄貴が消えていたので、もう家に帰ってしまったのだろう。
本当、兄貴の行動はいつも突然だ。
─ドスン
「キャッ」という橘の叫び声と共に、床に何かが落ちた音が聞こえた。
「橘!?」
慌てて部屋を飛び出す。
廊下に倒れる橘が目に入った。
昨日の夜、公園で見た服装だった。
母さんが洗って乾かしたのを着たのだろう。
「大丈夫か!?」