僕は君の名前を呼ぶ
一瞬ためらったが橘に触れて体を起こした。
…熱い。
「ごめん」
俺は一言断り、橘の膝の裏と背中に腕をまわし俺の部屋に運ぶことにした。
橘の顔は真っ赤で、ぐったりとした表情をしていた。
「ありがと…」
ベッドに運ぶと橘がこう言った。
「…熱は、いつから?」
「わからない…。朝起きたら、ちょっと体が熱くて。顔洗ったら、おさまると思ったんだけど…」
ろれつがまわっていない。
熱が出たのは昨日雨にうたれたからだよな。
「ごめん…やっぱり昨日から熱あったんだよな。無理矢理にでも薬飲ませてればよかった」