僕は君の名前を呼ぶ
体も冷え心も傷ついた橘がこうなることは、少し考えれば予想がついたはずだ。
“守りたい ”だなんて、口先だけになっている自分が嫌になる。
「ううん、青木のせいじゃないよ。少し休んだら熱も引くはずだから」
橘は掛け布団で鼻から下を隠した。
「母さんが作った朝飯、橘に元気になってもらいたいってガッツリしてるんだよね。でももう仕事で家出てるし…。おかゆくらいなら作れるけど…食えるか?」
「青木が…?」
いぶかしげにこちらを見てくる。
…かわいい。
「おいおい、俺だって料理するんだぞ。両親共働きだから料理は作るときは作るんだ」