僕は君の名前を呼ぶ
手元のおかゆを見ると美味しそうに湯気がゆらゆらと立っている。
時は進んでいるのだ。
「橘?おかゆ持ってきたけど」
すると橘は「んー」と言いながら体をよじった。
朝から俺には刺激が強い。
「橘ー起きてー」
「あと5分…」
「おかゆ冷めちゃうよ?俺、頑張って作ったんだけどなあ」
「ん…食べます」
すると橘はもそもそと体を起こした。
「はい、どーぞ」
緊張しながらおかゆの乗ったおぼんを橘に渡す。
一瞬指と指が触れてしまい、心臓が跳ね上がった。
触れた指はやっぱり熱かった。