僕は君の名前を呼ぶ
「あのさ、よかったら夏休みに会わない?」
“彼”からの思いがけない一言。
「えっ?」
びっくりして素っ気ない返事が口から飛び出してしまった。
悪く思われたらどうしようと、こんな些細なことでも気になってしまう。
「た、例えば、夏祭りとか…」
“夏祭り”という言葉に、わたしの脈拍はどんどん加速していく。
また“彼”の隣を歩くことができる。
そう思うだけでわたしの心はすっかり満たされてしまった。
「すごく行きたいんだけど、わたしなんかでいいの?」