僕は君の名前を呼ぶ
「だーかーらー!模試の結果はどうだったかって聞いてんの!」
「あー、模試な」
俺は答えるのが煩わしくなって、人差し指でポリポリと頭を掻いた。
「『模試な』じゃなくて、わかってるなら教えろよっ」
「そういう隆太はどうなんだよ」
俺は溶けた氷ですっかり薄まったレモンティーを口に含んだ。
「えっ、俺は…」
隆太の顔がみるみる青くなっていくのがわかった。
この反応は聞かないでおいた方がいいみたいだ。
「もういい、わかったから」
「早く言えよ~。気になるじゃんか」
隆太は自分の話でなくなったとたん勢いを取り戻し、余裕そうな表情で言った。