僕は君の名前を呼ぶ
「お前らお待ちかねの席替えすんぞー」
突然担任が宣言した席替え。
いつの間に戻ってきた隆太、橘、渡辺、そして俺の魔の四角形の空気は最悪。
そんな空気を引きずったまま行われた席替えで、俺と橘の距離は物理的にも離れてしまった。
しかも、教室の端と端。
…終わった。もう、消えてしまいたい。
そのままなんとなく気まずい雰囲気が続き橘と話すタイミングも失ってしまった。
隆太も渡辺も、どこか俺を避けている気がする。
すべての元凶は、俺ってところか…。
でも、友人関係の修復に夢中になることはできなくて。
俺は、予備校へ通うことになり自由がなくなってしまったからだ。
前までの金曜日の放課後が、嘘みてーだ。
接点なんて望んでいなかったのに、関係を持てた途端「俺が笑顔にしたい」「隣にいたい」ってどんどん欲張りになって挙げ句の果ては俺から繋いだ手を自分から離してしまった。
当然と言えば当然の結果なのか。