僕は君の名前を呼ぶ
「ちょ、ちょっと待って…、青木と夏樹くんって知り合いなの?」
「ん?まあ、ちょっとな。予備校がたまたま同じになってさ」
夏樹くんはちょっと恥ずかしそうに笑った。
びっくりした。
ふたりに繋がりがあったんだなんて…。
「でさ、海斗から聞いたんだけど、今度そっちの高校で文化祭あるんだろ?一緒にまわらない?」
「でも…」
ちょっと前まではあわよくば青木と…なんて思ってたけどこの感じだと厳しそうだし、都はタクヤ先輩呼んで一緒にまわるんだっけ。
わたし、ひとりなんだ。
「俺、ちゃんと終わらせたいから。最後に思い出作ろうよ」
夏樹くん…。
「うん、いいよ」
終わりにしよう、
初恋を。
そして、
新しい恋に決着をつけよう。
【彩花 SIDE:END】