僕は君の名前を呼ぶ
カナに彼氏ができたときは情報に疎い俺の耳にも、うわさが流れて来たくらいだ。
「海斗…顔色悪いよ。大変っ!体調悪い?どっかお店入ろう」
「ああ」
体調悪い原因の半分はお前のせいだとはもちろん言えるわけなく、素直にカナの指示従うことにした。
「相変わらず、気が利くし優しいんだな」
目の前に運ばれてきたタピオカジュースと焼きそばを見ながら言った。
タピオカと焼きそばて…、どんな趣味してんだよ、この店は。
「やだな、勘違いしないでよ」
「…は?」
「そんなさ、みんなに気配って優しくしてるわけないじゃん。海斗だからそういう風にしてるんだよ」
「あー、うん」
そう返ってくるとは思わなかった。
「ん、照れてる?」
「…うん」
「海斗の照れ屋なところは変わらないね~。そういうことも、いいと思うよ」