僕は君の名前を呼ぶ


「ミスコンってね、毎年女バスの八百長なんだよ?知ってた?」


「ま、マジで?」


「これ、結構有名な話だよ。良かったね~、最後の文化祭で知れて」


「「ハハハッ」」


ふたりで腹を抱えて笑った。

何が面白かったのか、全然わからなかったけどなんか笑えた。


笑うと、橘のことを少し忘れられた気がした。


「知りたいこととか言いたいことって、タイミングを逃すとそれきりだったりするじゃん?」


カナは少し真面目な声で言った。


「ミスコンの話だって、今しなきゃおかしいわけで冬の寒い時期に言われても更に寒くなるだけだもん」


「たし、かにな」


「言いたいことを言えずにモヤモヤしたり後悔するよりは、絶対言った方がいいと思うんだ。例え、どんな結果が待ってても」


カナは自分に言い聞かせるような口ぶりだったが、カナの言葉は俺の胸に響いていた。


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