僕は君の名前を呼ぶ
橘と夏樹はヨリを戻したかもしれない。
けど、自分の気持ちを伝えるくらいしてもいいんじゃないかって思えた。
「わたしも、海斗に言わなきゃいけないことあるから」
「うん」
「今日の後夜祭。教室で待っていて欲しい」
「…わかった」
「じゃあね」
カナは去って行った。
カナから言われることは、さすがの俺でもわかる。
隆太に予告されていたしな。
なーんか、冷静だな、俺って。
カナの言葉で、今の俺は悟りをひらけるくらい最強だ。
なんも、怖くねー。なんも。
…なんも。
やることがなくなって、俺はとりあえず自販機でレモンティーを買ってから教室に戻ろうとした。
戻ろうとしたんだけど…。
「…あ。」
「あ?…よ、よう、海斗」