僕は君の名前を呼ぶ


「海斗さ~、お前多分色々と勘違いしてるぞ」


「は?」


別れ際に夏樹にそう言われた。


話の意図が全くわからない。


「ご機嫌ナナメな理由も、その勘違いだったりして」


「別にそんなんじゃ…」


「そんなさ、女子みたいに好きなヤツの好きな飲みモン持って誰も気づかないよーなアピールするくらいなら、さっさと言っちまえよ」


「でもお前らって…」


「知ーらねっ。俺は俺の恋路を邪魔するつもりはないけど、手助けとかそんな甘ったれたことはしねぇから」


「なあ、もっとわかるように説明しろよ」


さっきから何なんだよおい。


「無理無理。俺そんな優しくないし親切じゃないから」


「お前、いい加減にっ…」


「じゃあ、俺は帰るから。“吉報”待ってるぞ」


そう言って夏樹は帰ってしまった。


な、何だったんだ一体…。


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