僕は君の名前を呼ぶ


そんなやりとりをしているうちに到着したのは図書室。


入るのは、夏休み前以来ぶりだった。


橘が少し乱暴にドアを閉めると訪れた静寂。


外で後夜祭で盛り上がっているのが嘘みたいだった。


「呼び出しって…告白?」

背中を向けたまま言う橘。

一体橘は何を考えてるんだ。


「一応、な。でも断ってきた」


あー、すげー必死だ、俺。


今更足掻いたって無駄なのに。


「その投影機って…」


橘はいきなり振り向いて、俺が空いてる手で持っていた投影機をひったくりスイッチを入れた。


ほの暗い図書室に星空が映し出された。


「あの星って、青木が?」


「えっ、どうして…」


誰にも気づかれないと思っていたのに、まさかの橘に気づかれてしまった。


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