僕は君の名前を呼ぶ
「俺の名前の“斗”って、北斗七星からから来てるんだ。だから…って、」
橘が…泣いている。
「わ、わたしも、あの星みたいにっ、青木の隣にいたいよぉ…」
この言葉は、そういうこととして解釈していいんだよな…?
嬉しいんだけど。
嬉しいんだけど、どうしてもぬぐい切れない不安材料がある。
「夏樹は?」
「何でこんなときに夏樹くんが出てくるのよぅ…っ」
「今日、一緒にいるの見たから…」
「もう、ちゃんと終わりにしてきたよっ…、ひゃっ!」
無我夢中だった。
夏樹が言った“勘違い”はこのことだったんだとか、“吉報”の意味とか、そんなの忘れて。
体が勝手に動いて、気づいたら橘を抱きしめてた。
「青木…?」