僕は君の名前を呼ぶ


「それ俺のセリフだから」


本当に、そうだよ。


一年生のときに勝手に恋に落ちてそのまま何もせずに2年経って、今年の春に同じクラスになって気づいたらこうだ。


俺が一番びっくりしてるんだからな。


だからこそ、幸せもより感じられるというか…。


まあ、とにかく幸せだ。




「青木。ちょっといいかな」


渡辺…? 珍しいな。


「えっと、おめでとう」


「ん。ありがとう」


夏休み明けからギクシャクしていたからこうやって会話をするのが少し気恥ずかしい。


でもそれも、今日で終わりだ。


「彩花、私に何も相談してくれなかったからいきなり青木とそんなふうになっててびっくりしちゃった」


「?」


渡辺が何を言いたいのかがわからない。


< 250 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop