僕は君の名前を呼ぶ
「あいつとは何ともないよ。女子に人気があっても、俺は好きな人に好かれてれば、俺はそれで十分だから」
彩花ちゃん以外、興味ねーし。
彩花ちゃんがいれば、それでいいんだ。
「…好き」
「俺は大好き」
「わたしも大好きっ」
「思い出、いっぱい作ろーな。あ、そーだ。サボった記念で写真撮ろうよ」
サボることなんてもう二度とないだろうし。
形に残るようなモノが欲しいし。
これからも、そうしていきたいな。
──カシャッ
「ずっと、こうしていたいね」
彼女は俺の右肩に頭を乗せた。
「ああ」
このまま、時間が止まればいいのに。
このまま、俺の中に彩花ちゃんを閉じ込めてしまいたい。
画面の中で笑う彩花ちゃんを見て、その笑顔だけでもこの手で守りたいと願った。