僕は君の名前を呼ぶ
彩花ちゃんと思い出を作ろうと決めてから引っ張り出してきたのだけど、写真を撮る機会がなくしばらく机の上に置いたままだった。
それを久しぶりにここで使おうというわけなのだ。
「外の桜のところで撮らない?」
「おいおい、桜はまだ咲いてないぞ」
俺の提案に隆太が反論した。
「いいから!ほら、行くぞ」
俺は少しムキになって3人に外に出るよう促した。
「先生ー写真撮ってー!」
保護者にあいさつをしている担任をつかまえてカメラを預けた。
「おー、じゃあ撮るぞー!ハイ、チーズ」
軽快なシャッター音と共に俺たち4人フィルムにおさめられた。
「どーする?誰か白目むいてたら」
隆太がクスクス笑いながら問いかけた。