僕は君の名前を呼ぶ
「ちなみに俺も同じタイプのつけてるから」
俺は腕まくりをしてつけている腕時計を見せた。
俺の腕についているのは、白のゴツい時計。
彩花ちゃんに選んだのは同じメーカーの他機種の腕時計で、淡いピンク色で上品な形をしているもの。
つけている彩花ちゃんを想像しながら選んだのだ。
プレゼントに腕時計を選んだ理由は、アナクロの曲の『流れ星』に、“同じ時間(とき)が流れているから”というフレーズがあるから。
「お揃い…?」
「そっ、お揃い」
幸せそうな顔をする彩花ちゃんを見て、俺も幸せだと思った。
彩花ちゃんの幸せが、俺の幸せ。
彩花ちゃんの喜びが、俺の喜び。
彩花ちゃんの願いが、俺の願い。
いつからか、俺のすべては彩花ちゃんになっていたんだ。