僕は君の名前を呼ぶ


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海斗くんへ


 手紙は形に残るから
 書くのは恥ずかしいけど、
 今のわたしの気持ちを残したいので
 書いてみるね。


 高校3年生の一年は、
 わたしにとって過ぎるのが早くて、
 充実していていました。


 それは、海斗くんのおかげだと思います。


 海斗くんの言葉に、たくさんたくさん
 助けられました。本当にありがとう。


 きっと海斗くんに出会わなければ
 今のわたしは存在しなかったと思います。


 入学式のときから海斗くんがわたしのことを
 知っていたと聞いたときはびっくりしたけど、
 それと同時に嬉しく思いました。


 これからしばらく離ればなれになるのに、
 1年しか一緒にいられなかったのは
 ちょっぴり悲しいけど、海斗くんの心の中には
 3年前からわたしがいたのだと思うと
 嬉しくて嬉しくて。


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