僕は君の名前を呼ぶ
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「海斗! 朝だよっ! 早く起きてよぉ~」
女の子の声が頭に響き、目が覚めた。
彩花?
何で俺の部屋に彩花が?
ぼやける視界の中、視力が悪い俺は目を細めて彩花の姿を探すけど見つからない。
「…うわっ!」
俺の視界にぬっと現れたのは…。
「なんだ。隆太かよ…」
中学からの友人の篠田隆太だった。
「『なんだ』とはなんだ。失礼な」
「お前の裏声か」
「もちっ!」
隆太は親指を立てて答えた。
「で? 何で隆太がここにいるの」
部屋用のメガネをかけながら隆太に問う。
「俺が呼んだんだよ」
隆太の後ろから現れ答えたのは昨日ウチに泊まった夏樹。
「夜中にトイレに起きて、ついでに《海斗きゅんとお泊まりなう♪》ってメールしたのっ」